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それから数年の後、吉宗の元服が行われた。
「吉宗、お前は、今日から山本弾十郎隆次(やまもと だんじゅうろう たかつぐ)と名乗るのだ。」
吉宗の父である隆之が新しい名を告げた。
「良き名をありがとうございます父上。」
「お前の武働き、期待しているぞ。」
「はっ、山本家の男子に恥じぬ功を立ててみせます。」
「隆次、元服おめでとう。」
山本家の主筋の嫡男として元服の儀に参加していた武丸の祝いの言葉を隆次にかけた。
「あ、ありがとうございます。まだその名前にはなれませぬな。」
隆次は頭を書きながら照れくさそうにそう言った。
「俺も早く元服して立派な武士になりたいよ。」
吉宗が元服して隆次となってもこの二人の絆は、変わらなかった。
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