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評定の内容を聞いた政影は急ぎ隆之、隆次親子を呼び寄せた。
「政影様、このような時間にいかがしたので。」
「急に呼んですまんな。今、城での評定の様子が伝わってきてな。」
政影はそう言うと自分の元に届いた内容を山本親子に話した。
「それでは大殿は命を諦められたと言うことにございますか。」
籠城とも野戦とも決めない信長の話を聞いた隆次は思った疑問を政影にぶつけてみた。
「いや、隆次、それは違うとわしは思うのだ。」
「と、申しますと。」
「これは予想でしかないが、信長様は何か知らせを待っているのではないかとな。」
「知らせでございますか?」
「ああ、この戦を勝つための一つの情報だ。」
政影の含みを持った言い方に何かあると呼んだ隆之は
「それはどのような情報なのですか。」
と聞いてみた。すると政影はニヤリと笑みを浮かべながら一言
「それはな、隆次。今川義元の所在だ。」
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