一ノ瀬屋

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糸は、勝手口から中へ入った。 すぐそこには炊事場があり、部屋の中心には囲炉裏があった。どうやらここで食事を作るらしい。 「糸といったね」 「はい」 「早速で悪いんだけど、廊下の雑巾がけ頼んでもいいかい?」 「はい、まかせてください」 糸は、ぽんと自分の胸をたたいた。 「ふぅー」 糸は、屋敷の廊下を1通り拭き終え、額にうっすらと浮かんだ汗を拭った。 ーそれにしても広いお屋敷。お部屋憶えられるかなー 外を見ると、気持ちの良い晴天が広がっていて、糸は「よしっ」と気合を入れて昼食の準備をしに土間へ向かった。
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