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「大事な一人娘が心配なのは分かります。
私も同じです。
ですが、あまりにも過保護なのでは?」
「もし、相手がそこらの平民で、春子に不自由をさせるようなことがあってたまるか」
半次郎はいじけたように下を向いた。
「私たちの頃とは
世の中もだいぶ変わっているのですよ。
それに相手がどんな方でも、
春子が決めた人なら私は間違いないかと。
応援するのが親としてのあり方なのでは?」
半次郎は、
百合子の言葉が正論すぎてグサグサと刺さったが、
自分の意見を曲げなかった。
「裕福であっても悪い奴ではなくても、
私が決めた男ではないと結婚は認めぬ」
「そんなに意地をおはりになって、、、」
「ふん。もう決まったことだ。
次の週にこちらにお見えになるからな」
威厳を失うまいと、
半次郎はドカドカと部屋の方へ歩いていった。
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