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いつものように敬介は春子を家の近くまで送り届けた。
「今日1日ありがとう」
春子は笑顔を作った。
「こちらこそ。じゃあ、またね」
ーまたねー
という言葉をあと何回聞けるのだろう。
今まで普通だった事が、胸のうちに引っかかって切なくなる。
「はい。また今度」
2人は微笑み、敬介は名残惜しそうに後ろを向き歩き出した。
春子も、家の方へ歩き出した。
ーこれで、いいのかなー
自分の気持ちを、正直に話さなきゃ。
あと1週間。思いついた時に言わなきゃ、、、
春子は、来た道を引き返した。
ー敬介さん、、、ー
角を曲がると、敬介の後ろ姿があった。
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