敬介の恋

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その夜、敬介は壮介の書斎を訪れた。 「どうした敬介、めずらしいね」 「兄さん、僕、恋人がいるんだ」 「知ってたよ」 予想外の答えに敬介は拍子抜けした。 「この前母上が糸に嬉しそうに話したらしいよ」 「そっか。知ってるなら話は早いや」 壮介はペンを止め敬介を見た。 「何をする気だ?」 「駆け落ちをしようと思う」 「はっ?!本気か?」 「彼女、次の週にお父上が勝手に決めた人と結婚させられてしまうんだ。だから、2人で逃げる」 「ちょっと待て敬介。いくらなんでも駆け落ちは、、、」
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