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そしていよいよ、春子の見合いの日がやってきた。
女中たちに身支度を整えられ、
春子は不安げな表情で自分の部屋にいた。
「とってもきれいよ」
百合子が言った。
「ありがとうございます」
春子は咄嗟に笑顔を作って百合子を見た。
女中たちが部屋を出ていくと、百合子は
春子の前に正座をした。
「春子」
「はい」
「一ノ瀬屋のご子息とのことは、本当にいいのですか?」
春子は、百合子の言葉に目を見開いた。
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