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このお話は、私が夏休みに東京にある祖父母の家に遊びに行った時、曾祖母から聞いたお話です。
「いらっしゃい!遠い所からわざわざ来てくれてうれしいわ!」
祖父母の家は、江戸時代から続く呉服屋だ。
私たち家族は、毎年夏休みになると1週間ほど祖父母の家に帰省する。
「もうすぐお盆ね」
仏壇に挨拶を終え、母が言った。
「そうだ。お前さんたちにまだ話していなかった事があったねぇ」
ふと、曾祖母が口を開いた。
「ん?なに?」
「わたしの父上と母上の話じゃ」
「まーたその話。紬(つむぎ)おばあちゃんはそのお話好きね?」
母は、あきれたように笑った。
その時祖母が台所のほうから母と父を呼んで、2人は行ってしまった。
居間には曾祖母と私と弟だけになった。
「紬おばあちゃん、そのお話し聞きたい」
私は、なんだかその話を聞いてみたくなり、曾祖母にお願いした。
「本当に2人は、仲の良い夫婦じゃった」
曾祖母は、遠い昔を見るような目をした。
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