マキオ

2/11
前へ
/214ページ
次へ
「はぁ……はぁ……はぁ……」 薄汚れた廃墟ビルの屋上、マキオはビルのふちに立っている。 時々、冷たい風が体を揺らす。 目の前には、人のいない、空虚な街が広がっている。 大学を卒業してからも、定職につけず、未来への展望も抱けないマキオは、 ふいに自暴自棄になり、衝動にかられるまま、万引きをしてしまったが、 すぐに店員に見つかり捕まってしまった。 警察へ連れていかれ、これから自分がどうなるかの説明もなく、眠らされ、気がついたらこの壊れた世界にいた。
/214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加