マキオ

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死のうとしている、人間に、助けてなんて、変なやつだ。 だが、マキオは、タイミングをズラされ、もう飛び降りれそうになかった。 その時、「グゥ……」とマキオの腹が鳴る。緊張がとけたせいだろうか。 「あ……ちゃんとご飯も、あげるからさ。なぁ……頼むよ」 死ぬ前に、人助けぐらい、して死ぬか……。 「……わかったよ」 マキオは、柵を越えて屋上に戻った。 男は馴れ馴れしく、肩を組んでくる。 少し甘い、匂いがした。 「いやぁ、アンタがこのビルから飛び降りようとしてくれて、マジで助かったよ……  えーと、俺はカイト。アンタは?」 「マキオ」 「へへっ、んじゃ、いこーぜ……マキオ!」
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