一、グループ『ゴールは目前!』

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薄暗い部屋。カタカタとキーボードを叩く音が聞こえる。 俺は一人、部屋においてあるパソコンに向かっていた。 画面は、背景が黒で赤い枠線と白い文字が書かれている掲示板。 タイトルは『集団自殺サイト』。 そう。俺は自殺することを決めていた。 理由は、簡単。不平等すぎるからだ。 俺はこれまで、勉強も運動も頑張ってきた。そこそこの大学まで入った。 だが、どんなに努力しても周りには比較され、どんなに必死になっても、うまいところは悪知恵の働く輩に持っていかれる。 正直者は馬鹿を見るというが、アレはまさしくそうだと思った。 そんなわけで、もうどうでもよくなってきた俺は、自殺を心に決めたわけだ。 ただ一人で死ぬのは味気ない、という事で、この『集団自殺サイト』を利用しているわけだ。 どのスレも「一緒に死ぬ人募集」とか「人生に闇を抱えた人、語りながら死のう」とか。言っては何だが、この手のサイトでは『普通』なことしか書いていなかった。 そんな中で、俺の目を引いたスレがあった。 『嫌な人生、最後に楽しい思い出作って死にませんか?』と書かれたものだった。 はじめは興味半分だった。 開いてみるとひどいもので、普通に自殺を望んでいる人たちから、「死ぬのに何が楽しい思い出だ」「何もかもあきらめてるのに、楽しくなるわけないだろ」「ふざけんな、お前見たいに希望を持ってる奴はむかつくんだよ」などと、ものすごく叩かれていた。 スレを立てた人は、『灯の光り』というネームの人で、俺は早速、その人にダイレクトメールを送ることにした。 ネームをクリックすると、その人のプロフィールが出てくる。そこにある、メールのアイコンをクリックし、早速メールを打つ。 『こんばんは、灯の光りさん。吐血と申します。最後に楽しい思いをして死にたいそうですが、仲間に入れてもらえませんか?』
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