44人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
部屋に戻ると、皆が驚愕して固まってしまった。
そして、大騒ぎになってしまい、事情を説明するのに時間を食ってしまった。
女将さんも呼んでもらって、傷の手当をしてもらった。
「つまり、光ちゃんを助けるために、耕太君は殺しをしてしまったと?」
敬一郎さんが確認をしてくる。
それに俺たちは頷いた。
だが、別に怒られるといったこともなく、心配の声だけが聞こえた。
「しかし、やってしまったら、僕たちの場所がばれるのは時間の問題だ」
そういう敬一郎さんに、光は、おずおずと手を上げた。
「あのー」
全員が光に目を向ける。
全員の視線を受け止めて、光は今朝のようにくらい表情ではなく、全てを諦めたような顔ではなく、どこかスッキリしたような表情で言った。
「もう、明日に死んじゃわない?」
最初のコメントを投稿しよう!