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警戒中の雄に比べて、地味な雌は、のんきにあっちふらふら、こっちふらふら。思い付いたようにご飯を食べたりして、警戒感ゼロ。
なんだか。。。
自分を見てる様。
ゴージャスなミヤに、見張りをさせて、地味な自分はあっちふらふら、こっちふらふら。
今だって。
「雄はあんなに美人なのに、雌は地味でがっかりしますよね」
と言うと、
「それでも、雄にとっては、最愛の彼女でしょう?」
「回りの意見なんて、気にしないのでは?」
飼育員のお兄さんが、孔雀のつがいをみて、微笑む。
「雄も幸せそうですよ」
なるほど。
「雄がいないときは、雌も寂しそうで、あちこちふらふらしなくなります」
「ここの孔雀、すごく人気があるんですよ」
へぇ。
飼育員のお兄さんが、壁向こうの東宮御所を向いて、
「この国で一番人気のつがいは、一般人にはお披露目されないのですが」
「ここの孔雀は、一般にも公開される時があるので」
「そうなんですか」
「花見とか、紅葉のときはすごい人気ですよ」
「ちらりと、東宮御所の屋根も見えますからね」
「へええ」
孔雀のつがい。
飼育員のお兄さんにお礼を言って、東宮御所に戻る。
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