それはたとえば、澄み渡る青空から舞い落ちる雪のようで

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 部活が終わる頃合いを見計らって練習を抜け出しヒーターを点けるのは、一年の仕事だ。今日は校外学習で出ているため、部活は二年だけ参加している。私にとって久しぶりの仕事だった。  1年ぶりの寒さだから、余計体に堪えるのだろうか。  更衣室を出るのも最速を意識して、10歩ない体育館までの距離を駆け抜ける。  そんな無我夢中な中でも、視界の端に入った彼の姿を認識できたことに自分でビックリだ。 「圭介、いつから?! 寒いでしょ」  慌てて声を掛けると、圭介は微笑んだ。 「ん。早く来ちゃった」  圭介とは、去年体育委員の活動で親しくなり、今年度になって一学期から付き合っている。
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