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「また駄目だったの?」 「…うん。」 「気楽なバイトでもしながら、お見合いでもしたらどうなの?A町のおばさんがね、あんたに…」 「いいよお母さん、もうちょっと頑張ってみるから。」 浅見理恵子 29歳 実家に戻って3ヶ月 正社員の仕事を探してエントリーしているものの、面接まで辿り着かずに書類選考の時点で落選し続けている。 当然といえば当然かもしれない。 何の資格も経歴もない29歳を、どこが雇ってくれるというのだろうか。 短大を出て、そこそこの大手企業に一般職として就職した理恵子だったが 職場で知り合った総一と付き合い 5年ほど経った頃、総一が仕事のストレスからうつ状態となった。 そして実家のある沖縄の離島に帰りたいと言い出した。 理恵子にも一緒に来てほしい、と。 総一の状態が落ち着いてから籍を入れようという約束で、理恵子は婚約者として総一の実家に一緒に帰った。 慣れない農業と、三世帯同居で大家族の家事をこなしていた理恵子。 それでも、都会であくせく働いていた頃に比べて活き活きしている総一との暮らしは幸せだった。 それなのに━━━
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