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理恵子の支えもあり、元気になった総一は
あろうことかまだ10代の地元の女の子と浮気をした。
そして浮気相手に子供ができてしまった。
責任を取って、その子と結婚したいという総一。
「理恵子ちゃん、本当にごめんなさいね」
そんな言葉とは裏腹に、若い嫁と孫ができる総一の母親は、見るからに浮足立っていた。
「理恵子を慣れない離島に一生住まわせるのも悪いと思ってたんだ。だから…」
だから浮気したっていうの?
口先だけの謝罪なんて聞きたくはなかった。
話し合う価値もない
理恵子は、逃げるように実家に帰ってきた。
「結婚するから!具体的に決まったら二人で帰ってくるからね」
そう言って離島へ行って半年足らず
一人で実家に戻った理恵子は、総一に浮気されて子供まで作られただなんて事実は親に言えなかった。
「合わなかったって…結婚はそんな甘いもんじゃないのよ?あんたは昔から何もかも中途半端なんだから…」
耳の痛くなる母の小言を聞き流し、理恵子は我武者羅に就職活動を始めたのだった。
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