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近付いてライトを当てると、丁度口の部分が動いており、何かを言っている。 「魔界にひとつ……と言っているようだが?」 「スフィ?」 「口の動きを読んだだけだがまだ言っておる。ルー、城の、奥?」 スフィが読み取った後は完全に動かなくなったので、後ろで騒いでいる結月の指示通り小さな袋に欠片を入れて結界を張り、その場で転送する。 「水晶でもできるなら言ってよ」 「小さなものだけだ。で、なんで口元を入れてるんだ気持ち悪いな!」 「どこでもいいだろ?俺だって見たくないよ」 「まぁいい。その氷の山溶かして蒸発させておけよ」 「スフィお願い」 「ものと珍獣は使いようだな!毛も送れ」 「その喩え止めようよ。後、毛はあげないから抜け毛でも探して!この雨が落ち着いたら俺帰ろうと思うんだけど」 「晴れてからにした方がいい。雨の間暇だろう?あの木の消火ついでに、中を見てこい」 「はいはい。それで、晴れたら?」 「珍獣に乗って空から水路の確認をして、設計図と照らし合わせて中心を決めろ。それだけしてくればいい」 「するけどさ、名前覚えてくれたら、毛あげるよ?ひと房頼んであげてもいいけど」 「よし!す?す……まて、メモするから!」 「じゃ!」いつも勝手に切られるので、こちらから切る。代わりに天王へと繋ぎ、今までの経緯を報告する。
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