破壊

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「何で?」 「落ちてきた時に、最初は怒っていたのにすぐ魔法陣を読み解き、脱出の魔法陣を書いたにも関わらず、書物を読み漁っていたから……」 「話と違う……苦労したって聞いてたのに。それよりもリアムさんはどう接触してきたの?」 「わからない……父と話してばかりいたから。私は自分が幻界のものと思ってなかった。常に魔界や天界にも行っていたから、自由に行き来できる程度にしか思ってなかったし、一時ここに住んでいたこともある。この研究施設に……殆どは幻界だったけど、私の中ではそういうものなのだと思っていた。天界の王子が死亡したと聞いた時は驚いたし、父はかなり動揺していた。でもすぐに王子の使者という人が来て父は研究を再開させた。あちらとこちらとでは時間が違うことは知っていると思うのだが、数年たち、私も知識がかなり身についた頃、研究がなんであるかを知った。それで眠っている間に体の中に何かを入れられ、いつでも殺せると脅されたのだが、結果は王子は死に残ったものは世界を救うものと聞いていた薬が、世界を破滅させる薬だと分かったことだけだった。私は……新しい王子にかけてみようと思った。噂では評判も良かったし。でも、私の考えがどこからバレたのか、前の王子の崇拝者たちがまた現れ、こんな事に……」
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