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「親切にしてくれて、ありがとうございました」
ホラは、頭を下げて伝えた。地底人は短い手をパタパタさせて表現した。
「んだ。当たり前のことだ。また遊びにこいよ」
ホラも同じような表現をしながら答えた。
「ぜひまた、お話を聞きに伺わせて下さい」
ホラは、入り口のブロックをドリルで壊すと、村の地底人からは見えなくなった。この階層が100mごとあるとは、このとき彼も考えていなかった。
「地下の地底に進むごとに、若者のような地底人が増えているなあ、サングラスが流行なのかな」
下の地底に進めば進むほど、スーツの中が苦しくなる。時計の付いたカプセルを何とか回収し、スーツの耐久性の時間を延長させた。
「ようやく、次で1km(1000m)」
ホラはまた地面がチョコレート色に変わると、地底人がいるかどうかを探した。
「待ってたよ。ホラ」
聞き覚えの無い声がホラの耳に入った。ホラはその声の主の方へと顔を向けた。
「君がゼット博士の作った人工知能搭載のロボットのホラ・チヂムだね」
声の主は、驚くホラの表情をよそに、話を続けた。
「はじめまして、僕の名前はホリ・ススム。色々とすでに話は聞いていると思うけど、君がここにたどり着くのを待ってたよ」
そこにはホラ・チヂムと同じスーツを身に着けている少年、ホリ・ススムの姿があった。
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