第四章:地底次元の結末

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「シンクライアントとは、最小限の機能しかないクライアント端末がホストとなるサーバの機能で処理させることで、サーバと同等の機能が使える優れたシステムなんだ」 ホリは引き続き説明を行った。 「がしかし、ここでクライアントとサーバを繋げるネットワークが非常に重要で、僕と博士の通信は微弱な電波でも届く音声だけの通信で、何とか会話することができた。でもホラは地底へ進むに連れて、地上にあるホラのホストサーバとの通信用のリンクが切れてしまった」 ホリはホラの表情を見ながら、さらに説明を続けた。 「ホラは自分とホストサーバには一定量の電波で相互に通信しないと片方の通信だけで途絶えてしまうという状態になった。不足している情報をスパースモデリングという方法(数式の一種:ビッグデータを一瞬で予測し解析してサンプルデータとして間引く方法)で自動修復したけど、自己修復機能が全て正常ということではない。まぁその影響で多少記憶の混乱が発生しているかもしれないが、その方がそもそも正常な状態という事だよ」 ホラは、ホリが嘘を言ってるように聞こえなかったが、真実だとも証明されたくなかった。ホラはどうしても諦めきれない目的があり、その真実も確認した。 「自分は研究のため、この地底に地底次元の深層という秘宝を探しにきただけで、そこにたまたま君がいただけ、もし違うなら地底次元の深層そのものが無い可能性があるというのが事実ということなのかな」 ホラは、その答えを否定してほしかった。ホリは、ホラの望む答えを示した。 「ホラの研究で、地底の謎を解き明かそうとしているって事だね。その答えの一つがこれから二人で行うことさ」 ホラは、意味深なホリの回答に、すかさず詳細を言及した。 「それは一体、どういう意味?」 ホリは少し意地悪な様子で答えた。 「地底次元の深層、地底の底にたどり着くとしたら、その底の裏も存在するとするだろう。でも誰も底にはたどり着いていない。なぜだと思う」
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