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楽しい時間はあっという間に過ぎ、二人は、地上へとたどり着いた。
「やっぱり、地上の空気は格別だ」
ホラ・チヂムは両手を伸ばして、深呼吸をした。
「チヂム、君のおかげで地上に戻れて助かったよ。ありがとう」
ホリ・ススムはホラの事を下の名前で呼ぶ仲になっていた。ホラは、本当は一言では言い表せない表現に対して、一言にまとめて答えた。
「こちらこそ、色々と知らないことを知ることができて面白かったよ。ありがとう」
ホリはホラに提案した。
「そっか、じゃあ今度、僕の故郷の星に遊びに来ない?」
ホラは一瞬心が揺れたが、その提案を断った。
「僕にはまだこの星で遣り残したことがある。まだ知られていない地底の深層を探し続けることが僕の役目に繋がると思うんだ」
ホリは残念そうに言った。
「残念、分かった。でも僕は一旦、故郷の星へ戻らなきゃいけない。だからもし、遊びに来たくなったら、いつでも連絡してほしい」
ホラはホリが星を離れても安心できるように約束をした。
「分かったススム、君のドリルさばきは忘れないよ。ミスタードリラーの称号は伊達じゃないね。今度会ったら勝負しよう。ミスタードリラー vs 人工知能として」
ホリもホラの話にのった。
「チヂムには、絶対に負けないさ」
空はもう夕焼けで赤いオレンジ色に染まっていた。
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