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地底に対する新たな文献の一頁が幕を開けた。
ホラの研究チームの研究員がホラに質問をした。
「ホラ博士、地底の穴というイメージがどうも想像することができないのですが、どうやったら表現できるのでしょうか?」
ホラはその研究員にたとえ話で解説を始めた。
「砂時計を知っているかな」
研究員はホラに怪訝な顔つきを見せて答えた。
「えぇ、それは殆どの方が見たことあると思います」
ホラは説明を続けた。
「ビンの中に砂が入っているのだけれど、真ん中の部分は細く、両端の部分は太い。片側の太い部分を下にすると、下側に砂がたまる。ひっくり返して反対側の太い部分を下にすると、また重力で上から下に砂が落ちて下側に砂がたまる」
研究員は険しい顔で言葉を漏らした。
「砂時計の説明ですか」
ホラは研究員の想像力をかきたてるように話した。
「地底の穴というのはね。この真ん中の部分の細い穴の事なんだ。地上から地底へ行くのもその穴を通っていくのだけれど、地底から地上へ戻ることも、その穴を通れば戻ることができる。想像したら滑稽に思えないかい」
研究員の顔がほころんだ。
「地底の穴が砂時計、凄いたとえ話ですね。本当に信じられない」
ホラは研究員を誘った。
「じゃあ、今週のプレミアムフライデー、見に行こうか」
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