第ニ章:ホラ・チヂムの回想

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第ニ章:ホラ・チヂムの回想

「まだ未知なる物が数多く存在するのです。それを証明するためにこの研究が必要不可欠なのです。ある文献によると、地底にしか存在しない次元が存在する記述があり、それは地底次元の深層という名称の秘宝があることを示していて、しかも私たちが友好にしている地底人たちが持っている文明にこそ、その答えがあるというではありませんか?それが解明できれば、星の核心(コア)にだってたどり着けます」 ホラ・チヂムは研究者の端くれの一人だった。 会議室の一室で、プロジェクターを使って、自分の研究の経緯を説明し、有識者を交えて、彼の研究である理論の方向性を固める大事な打合せをしていた。 「ホラ君、君の発言には、説得力がない。この業界で説得していくための材料は、君の考えた理論と君の調べた根拠、君のたどり着いた証拠が必要なんだ。それがないのであれば君は名前と同じでホラを吹いているだけではないのかね」 その部屋でもっとも権威のあるワイ博士が彼の説明に対して意義を申し立てた。それもそのはず、彼の研究で必要な費用を少しでもその博士が減らしたいと考えているからだ。周りの研究者もずっと彼の顔色を伺っていた。
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