86人が本棚に入れています
本棚に追加
"生贄"
それが俺の名前
本当の名前でないことは分かってるけど
いつもそう呼ばれていた
この狭い檻の中でずっと暮らしてきた
親の顔も朧げで
引き離されて悲しかった気もするけど
楽しかった思い出もある気がする
ぼんやりと記憶がある感じだ
ずっと檻の中と言っても昼間は自由に過ごせた
でも、町に出ると気味が悪い、なぜここにいる?
という視線を感じ
酷ければ石を投げつけられる
なのでいつも森の中に行って動物たちと過ごした
動物はいい
俺たちのように醜くない
最初のコメントを投稿しよう!