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氷はゴルフボール大からさらに細かく砕かれてそれの半分くらいの大きさにされて行った。
そして、準備が整うと二人はじゃんけんをする。
「負けた。俺からか」
そう言うと、ケンちゃんはちょっと大きめの氷を手に取る。
「お題は『秘密にしていたこと』ね。行くよ」
私はこくんと頷く。
「俺はドーテイじゃない。びっくりした?」
「……ん、ぎりぎりしない」
私が答えるとつまんねぇと言いながら、ケンちゃんは持っていた氷をグラスにぽちゃんと落とす。
氷が入るとその分だけ水位が上がった。
氷の脇を驚いた様に気泡が上がっていくのを私は見つめていた。
「学校の人に、告白された。びっくり?」
「……危うかったけど、しない」
ふーんと私は言って、ちょっと大きい氷を掴む。
そして、氷を入れた。
「俺ね。一週間前彼女と別れた」
「いつものことだよね」
私の言葉に、そうそうとなんてことない顔でケンちゃんが氷をグラスに落とす。
私は新しい氷を掴むと、ちょっと考え込む。
ケンちゃんは長いまつ毛を上げて私を待って居る。
二人の中間で、グラスのサイダーもシュワシュワと私を待って居た。
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