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「海都、あたしと付き合わない?」
隣のクラスでも目立って可愛い顔をした綾崎に放課後呼び出された。
それも職員室がある階の廊下の突き当たりで。
いくら生徒が通らないからって言っても、少し離れて通る教師の視線は感じた。
綾崎は「カワイイ」っていうのを自分でも意識していて、それを最大限に生かしてるような女子だ。
「…悪いけど、付き合わない」
こういう子に、気を持たせるような事を言うと後々めんどうだったからボクは素直に断った。綾崎はプライドに触ったのか、さっきまで出してた媚びた雰囲気を急変させて、いきなりちょっとキレ出した。
「…なんで?……あたしじゃ、何か不満?」
「いや、不満ってわけじゃないけど…」
不満がないイコールお付き合いなのかって、ボクは思う。
大体、綾崎ちょっと怖いって。
あぁ、遠くで若い女教師がボクらを見てちょと笑ってるし。
「なんかウワサでさぁ…、海都は森川の事が好きだって聞いたんだけど?」
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