告別式の日に

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 皆が悲しむ中、棺は閉められた。  僕とお父さん、そして叔父さん二人とで棺を霊柩車まで運んだ。  死体はすごく重い、そう聞いていたのに、身長百七十センチメートルを越えるひかり姉ちゃんが入っている棺は頼りない程の軽さだった。  三十分程車に乗って着いた火葬場は、大きくて清潔で、でも何だかとても冷たい感じがした。  火葬場と言えば、煙突から黒い煙が立ち昇り、沢山のカラスがたむろしている、そんなイメージを僕は持っていたんだけど、それとはかけ離れたとても近代的な建物だった。
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