第三章 爆弾同窓会

6/54
前へ
/643ページ
次へ
 話す二人の背後で、教室のドアが開く音がした。 「永田さん? 土井くん?」  小柄な少女が息を弾ませていた。  シックな装いの永田かえでとは対照的に、デニムのジャケットに白いニット、黒いフレアスカートと足下のスニーカー、いかにも元気いっぱいの女子高生といった装いだ。 「うっわー、すごい久しぶり」  大きな目をくりくりさせて近づいてくる。ブラウンの肩上ふんわりボブが揺れる。 「土井くん、また背が高くなったんじゃない?」  隣に並んで少年の頭を見上げ、お互いの身長を較べ合う。  朝倉日菜は、かえでや拓己とは反対の窓際、教室後方のおしゃべりグループに属していた。  不良娘というより、先生の目を盗んで要領よく遊んでいるイメージ。中学のとき、すでに他校の彼氏がいると聞いた覚えがある。
/643ページ

最初のコメントを投稿しよう!

819人が本棚に入れています
本棚に追加