第三章 爆弾同窓会

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「っていうか、私が伸びてないだけか?」  がっくし、と自分で声に出して、額に手をあてるポーズをとる。  二年に進級するとき、クラス替えがあり、そこで七人のクラスメイトはいったんバラバラになった(かえではすでに転校していた)。  朝倉日菜と土井義彦も、別々のクラスになってからは、あまり会っていなかったようだ。 「わ、かっこいー。永田さん、これ、バーバリーのコート?」  今度のターゲットはかえでだった。まじまじとコートの合わせ目を覗き込む。三年ぶりの再会がファッションチェックから入るのが彼女らしい。 「わ、マフラーもバーバリーのカシミア? 永田さんって、けっこうお嬢?」  じゃれついてくる子犬のようにくるくる周りを回る。実際、顔も動きも小型犬っぽい。
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