第三章 爆弾同窓会

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 かえでは目の前にいる少年の記憶を掘り起こす。  成績モンスターと呼ばれ、勉強以外の活動を極度に嫌っていた。クジで決まったのに、庭に水やりがあって忙しい植物係を嫌い、ごねまくったあげく、別の係におさまった。  その甲斐あってというべきか、あの事件に遭いながら、東京の有名私立高校に合格したはずだ。 「森川くん、土曜は授業があるんじゃないの?」  かえでの学校もそうだが、私立ならたいてい週末も授業がある。 「永田さんは櫻葉だっけ?」  かえでの通う東京の有名私立女子校の名前を挙げる。 「今日は午前までだよ。夕方から予備校があるから、いったん家に戻って着替えて来たんだ」
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