第三章 爆弾同窓会

10/54
前へ
/643ページ
次へ
 新堂拓己、永田かえで、森川航平の三人が、当時の一年三組で成績上位を争っていた。ただ、森川が寝る間も惜しんで勉強をしていたのに較べ、拓己は大した努力はしていなかった。  それもあって、この少年は拓己に反感を抱いていた覚えがある。 「マジ? 土曜も授業がある上に、予備校まで行くの?」  朝倉日菜が驚いた顔をする。 「予備校ぐらい、みんな行ってるよ。周りはレベルの高いやつばっかりだから、気を抜けないよ。ちょっとでもさぼると置いていかれるんだ」  航平は適当な空いている席に座り、いらだたしげに時計を見上げた。 「にしても……新堂のやつ、人を呼びつけておいて、何をやってるんだ? 誰か電話番号知ってるやついないのか? 電話してみろよ」
/643ページ

最初のコメントを投稿しよう!

819人が本棚に入れています
本棚に追加