第三章 爆弾同窓会

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「まあ、ぼちぼちっすかね……」  小声でぼそぼそっと話す。中学のときからこんな感じだった。不良娘というより、はぐれ娘といった印象。  幼い頃に両親が離婚し、母親が経営するスナックの仕事を手伝っているとかで、授業中はいつも眠たそうに机に突っ伏していた。何に対しても、めんどくさそうな受け答えをしていた。  水絵がぐるりと教室を見渡す。 「あのー、新堂は?」 「まだ来てないみたいよ。あんたも新堂に呼ばれたの?」  日菜が訊ねると、水絵は困ったように首をひねる。 「いやー、よくわかんないんっすけど……ここに来たら、五千円くれるって言われたんで」  それを聞いた四人が顔を見合わせる。 「マジか? あいつ、金出して人を呼んだのか?」  あきれたように言ったのは森川航平だった。その口調には、なぜ自分には支払われないのかというトーンが含まれていた。
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