第三章 爆弾同窓会

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 廊下側グループの中心がツッチーなら、窓側男子グループの真ん中にいたのが、この少年だ。  サッカー部の補欠で、そんなに運動神経がいいわけではないが、愛敬で好かれるタイプだった。校内、校外に友達が多く、スマホには四六時中、誰かからの通知が届き、よく教師に怒られていた。 「おー、永田さん、美人さんになっちゃって」  三年ぶりに会うなり、慎一は両手を広げて賛辞を送ってきた。指にネジのナットのようなごてごてしたリングをはめている。  弱冠、引き気味になったかえでに、日菜が声をかける。 「永田さん、気にしないでね。こいつ、いつもこんなノリだから」  その口調から、中学卒業後も二人の間で交流があることを匂わせた。 「信じられる? こいつ、街であたしをナンパしたんだよ」
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