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キャメルカラーのダッフルコートを着た少年が立っていた。
胸元に白いセーターがのぞき、下は黒いスウェットパンツ。足元にはスニーカーを穿いていた。ワックスで軽くスタイリングされたショートマッシュの髪型がソフトな印象を与える。
「新堂、おせーよ」
拳を突きだした慎一に、拓己が「悪い」とさして悪びれた様子もなく謝る。きりっとした眉の下にある涼しげな目は、何を考えているか読ませない。
六人の元一年三組の生徒たちは、教室の空いている席に思い思いに座っていた。ちょうど真ん中辺りにいた永田かえでに、拓己が真っ先に近づいてくる。
「永田さん――久しぶり。三年ぶりだよね」
かえでが椅子から立ち上がり、笑顔を作った。
「うん、新堂くんは元気でやってた? 城岩高校に行ったんでしょ?」
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