第三章 爆弾同窓会

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「これ、写真撮ってネットに上げたらウケんじゃない?」  日菜が言うと、慎一が悪ノリする。 「バラバラ殺人の現場に来ています、とか?」  森川航平が顎に手をあてて、机の上を見下ろす。 「これ、ぜんぶ合わせて人間ができないかな」  日菜が「六つじゃ無理でしょー」と笑う。  義手や義足を公言していない人間もいるので、ネットに写真を上げる案は却下された。  各自が机の上から自分の義肢を手にとり、装着しなおしていく。自然と全員が教室の中央に集まる形になった。  慎一に「いっぺん、俺の足と交換してみねえ?」と冗談を飛ばしされた水絵が「いや、なんか水虫とかありそうで」と断っている。  義肢を外したことで、みんなの間に、服を脱いで一緒にお風呂に入った後のような打ち解けた空気ができた。これも形を変えた裸の付き合いだろうか。
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