第三章 爆弾同窓会

23/54
前へ
/643ページ
次へ
「そして、ひとつの結論に達した」  いったん言葉を切って、教室をぐるりと見渡す。視線が少年に集まる。  それから、吸い込んだ息を押し出すように告げた。 「この中に、三年前のあの日、中越聖に爆弾を渡した人間がいる――」  かえでの耳に、ぴきん、と氷の割れるような音が聞こえた。実際、割れたのだろう。七人の見えない絆(そんなものがあったとすれば、だが)は、この日を最後に引き裂かれたのだから。  これが爆弾同窓会の幕開けだった。
/643ページ

最初のコメントを投稿しよう!

819人が本棚に入れています
本棚に追加