第三章 爆弾同窓会

24/54
前へ
/643ページ
次へ
* もう一つの爆弾教室  ほぼ同時刻の十三時二十分、東京のとある私立高校の教室。 「えー、関係詞には、関係代名詞と関係副詞があります。whichiやwhoなどの関係代名詞の場合は、そこから続く文章に主語がないなど、不完全な形で――」  ドアの向こうから若い男性教師の声が廊下にもれていた。入り口の上には「2―B」という白いプレートがかかっている。  空調がよく効いて過ごしやすい教室では、整然と並んだ机で、制服姿の高校生が英語の授業を受けていた。天井のライトの明かりを、ワックスで磨かれた白木のフローリングが跳ね返している。  男女とも上着は紺のブレザー、男子はグレーのズボン、女子はチェック柄のプリーツスカート。ともに紺のネクタイを締めている。
/643ページ

最初のコメントを投稿しよう!

819人が本棚に入れています
本棚に追加