第六章 封鎖された学園

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 もう許してくれよ、と山崎が泣きそうな顔になり、机の間に笑いが起こった。  智也もつられて相好を崩した。この学校には体育会系も、オタクも、勉強命みたいなやつもいれば、ちょっといきっている不良系もいる。いろんなやつがいるけれど、みんなうまく共存していた。 「森野、心配するなよ」  サッカー部の新田が胸を張った。 「爆弾テロ犯が来たって、俺たちがやっつけてやるって。ウチのクラスには、柔道部の上西もいるし、剣道部の藤代だっている。そして俺、サッカー部のエースフォワード、新田一樹様がね」  胸に手をあて、外国の貴族のようにうやうやしく会釈する。
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