第六章 封鎖された学園

24/77
814人が本棚に入れています
本棚に追加
/643ページ
 俺も忘れんなよ、と野球部の山崎が釘を刺す。 「おまえはバットを教室に置いておけよ。野球部はバットがなけりゃ役立たずだろ」 「サッカー部こそ、ボールがあったって何もできねえじゃねえか!」  森野さんが弱々しい笑みを浮かべた。それを見た山崎がため息をついた。 「ったく、ほんといい迷惑だよな。この爆弾テロ騒ぎ。例の芹沢睦美って女、クラスに友達も誰もいない、くらーい三国志オタクだったんだろ? 本好きって、頭でっかちになるやつが多くね? 人生の実体験ってやつが足りないからテロとかに走るんだよ」 「その通りだけど、おまえは本を読まなすぎな。ボキャブラリーが貧困なんだよ」  新田がまた茶々を入れ、山崎が「森野の前でそれ言うか?」と赤ら顔になる。  その後、体育会系男子二人が、テロ犯との格闘になったらどの部活が強いのかで盛り上がった。竹刀がなければ剣道部は役立たずだ。いや、ホウキを武器にすればいい、とかそんな話だ。
/643ページ

最初のコメントを投稿しよう!