第六章 封鎖された学園

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 たまに金本が突っ込みを入れ、森野さんは笑いながら聞いていた。良かった、と智也は思った。アニフェス中止以上に、彼女の落ち込んだ様子が心配だったからだ。 「くだらねえ」  ぼそりと前の席からだみ声が聞こえてきた。ガマこと蒲生悟が、小馬鹿にした目で体育会系男子たちを見ている。 「爆弾の恐ろしさを知らねえから、あんなことを言えるんだ。過酸化アセトンみたいな薬局で売ってるようなもんで作れる安っぽい爆薬でも、50gもあれば手りゅう弾ぐらいの威力はあるんだぞ。どうやって戦うっていうんだ。人間なんて一瞬でただの肉塊だ」  誰に言うでもなく(恐らくは智也に言っているのだろうが)、ぶつぶつ呟いている。
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