第六章 封鎖された学園

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 1995年、アメリカで起きたオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件では、庁舎正面に停められた〝車爆弾〟によって、九階建てのビルが完全に破壊され、子供19人を含む168人が死亡した。 「ビル丸ごと?……そんな爆弾あるの?」  青ざめる智也に、脅かし過ぎたと思ったのか、蒲生が慰めるように言った。 「心配すんな。連邦政府ビルの爆破では、犯人は2トントラックに硝酸アンモニウム900キロ、ダイナマイト300本を積んでたんだぜ。そんなキチ×イ、そういねえよ。連中はせいぜい過酸化アセトン製の手作り自爆ジャケットだろ?」 「うん……」  しかし、前の立てこもり事件では校舎内に多量の爆薬が仕掛けられていた(幸い建物の倒壊には至らなかったが)。三年前の城岩中学爆破事件では教室ひとつが丸ごと吹き飛ばされている。
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