第六章 封鎖された学園

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 もしかして警察か何かの訓練かな? 爆弾テロ予告が増えているので、避難訓練でもするのだろうか? でも、平日のこんな時間に?  前の席のガマに訊いてみたかったが、さっき先生に注意されたばかりなので、よけいな行動は気が引けた。  そうこうしているうちに、校庭の隅に停まっていたトラックが動き出した。急発進でハンドルを切ったので、荷台部分が大きく揺れる。  白い土のグラウンドを突っ切ってぐんぐん加速する。体育の授業でサッカーをしていた生徒たちが足を止め、土煙をたてて爆走するトラックをぼんやり見ている。  おいおい、速すぎるぞ。  校舎が近づいているのに減速する気配がまったくない。フロントガラス越しに運転席を見た智也の目が見開かれる。  誰も乗ってない?
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