第六章 封鎖された学園

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 いつドライバーは降りたのか。最初から乗ってなかったのか。だったら、どうして車が動いているのか。いや、それよりこのままじゃ校舎に――  再び椅子から腰を浮かしかけたときだ。  ガシャーンと何百枚ものガラスが割れるような音がして、直下型の地震に遭ったように建物全体が揺れた。バランスを崩し、智也は椅子から転げ落ちた。 「みんな、落ち着いて。状況が確認できるまでその場から動かないように」  教壇の上から但馬先生のこわばった声がする。  生徒たちは不安げな顔で壁や天井を見回している。「何? 何があったの?」「地震か?」「ガス爆発じゃねーの」。不安からてんでばらばらに推測を口にする。  そのとき、おいっ、という大きな声が教室の前方で響いた。
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