第六章 封鎖された学園

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 ガマによれば、警察は縄張り意識が異常に強い。よその管轄の事件に手を出すのは許されない。ただし、警視庁の管轄内で事件が発生し、犯人を追った結果、隣県へまたぐ例はあるらしい。  だが、ここは川越だ。東京に近い川口や戸田ならわかるが、カーチェイスをして犯人を追ってくるには遠すぎる。 「それより変なのはやつの持ってる銃だ。あれはイングラムM11だ。SITに配備されているのはMP5のはずだ。だいたい、たかが犯人一人にサブマシンガンってのもあり得ない話だが、イングラムはもっとありえねー。普通、警官は使わないだろ」 「……普通は誰が使うの?」 「テロリストご用達の銃だよ」  見な、と顎を教室前方へしゃくる。視線の先には、あの若い警官が持つ黒光りするマシンガンがあった。 「積み木みたいな四角い缶を組み合わせた形をしてるだろ? ちょっとしたプレス設備があればローコストで作れるんだよ。だから、世界中のテロリストや犯罪者が重宝するってわけさ」
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