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しかし、そうとわかったところで、相手が武器を持っている以上、自分たちには抵抗する術がない。
警官の格好をした男は、生徒たちの動きを監視するような眼差しで、教壇の上に立っていた。生徒を守るというより、これでは刑務所の看守だ。
「あ、あの――」
教壇の下にいる但馬先生が怖々と声をかけた。
「外の様子はどうなっているんでしょうか? 生徒も不安がっています。何か情報を教えてもらえませんか?」
ちらちらと胸の爆弾に目が向く。但馬もポケットに差し込まれた灰色の筒が気になっているのだ。触れてはいけない話題のように、あえて目をそらしている。
「校舎の外に避難というのは考えられないでしょうか? 東側の非常階段を使えば――」
緊張で早口になる但馬の声が止まった。
警官が左腕をあげて、先生の声を制止した。左耳にはめたイヤホンを深く差し込む。無線で何か連絡が入ったようだ。
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