第六章 封鎖された学園

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 教壇の上の少年は、外の騒ぎにもさして驚いた様子も見せず、冷たい顔で告げた。 「言ったはずです。粛清が遅れたクラスの生徒はペナルティを受けると。だから、どのクラスも必死なだけです。みなさんも自分が死にたくなければ、命令を早く実行することです」  智也の歯がカチカチと鳴った。ようやく理解した。模倣犯でも、愉快犯でもない。自分たちの学校は、教室自爆テロクラブに乗っ取られたのだ。  バンッと窓の外に鳥がぶつかったような大きな音がして、智也は、ひっと短い叫びをあげ、机に突っ伏した。恐る恐る顔を上げる。  ガラスに赤い血のりがべったりと付着していた。  窓の外に何か黒いものがぶらんぶらんと揺れている。鳥ではなかった。人間だった。
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