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その時である。メイサは堪えきれずにユカに歩み寄っていって右手を振り上げ、ユカの頬を打った。それから、振り向いてソルクにも一発平手打ちをした。
反動でユカの顔は右へ逸れた。
「何す──!」
「黙りなさい!」
メイサはユカを圧しきった
「あなた達。言いたい放題のところ悪いけど、言い過ぎってものがあるの解る? 黙って聞いていれば蟻みたいに湧いてくるその言葉、聞いてて腹が立つの」
メイサはユカに面と向いた。
「あなた、そうやって思ってたんだったらはっきり言いなさいよ! こそこそと裏で小細工して馬鹿みたい。家は大物のくせに、やってることは小物ね。いいえ、小物以下だわ。そこら辺のネズミと同じ。あなたが私をどう思おうがあなたの勝手だけど、私はそう言うのが一番嫌いだってあなた知ってた? もちろん知ってたわよね? それをわかってやったんなら、あんた最低よ」
ユカはメイサの言葉に口をわやわやと動かして何か言おうとしているが、圧倒されて何も言えない。
「いい? 私はあなたを本当に親友だと思って接してきたわ。あなたのお陰で学校にも行けて、明るくなれて、友達も出来た。それは本当にあなたのお陰よ。けどね、私があなたの付き人になった覚えは1度もないわ! 人を完全に支配できないからって、そんなの……間違ってる! 貴女はもっと高潔で誇り高い人だったはずよ」
「だ、だからって、私があなたを恨んじゃいけないルールはないわ!」
「だから、それはあなたの勝手って言ったじゃない! 分からず屋!」
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