首絞めの呪い

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 二人が口論になる中、ソルクは打(ぶ)たれた事が全くの不意討ちだったらしく、少し驚いた体で大人しく二人の喧嘩を見ていた。が、打たれたのにも関わらず、その後すぐにソルクの顔にはじんわりと笑みが浮かんでいた。 「大体ね、私があなたを今まで育ててあげたようなものじゃない。それを裏切ったあなたのほうが悪いのよ!」 「あなたね、私がいつ裏切ったって言うのよ。ただ新しい友達が出来ただけじゃない!」  そこにソルクが二人の間に手を差し出して口を開いた。 「俺が打たれる理由がわかんないけど、まあお二人さん、とりあえずこうしようじゃないですか」 ソルクはメイサを静かな抗議の眼で睨んだ後、自分の口元に右手の人差し指を立てて塞ぎ、何故か穏やかな笑みを浮かべてそっと指先に息を吹き掛けた。それから3拍ほど空けて話を続けた。その絶妙な間の空き方と不可解な行動は、興奮冷めあらぬ二人の視線を不思議とソルクの口(くち)一点に向かせた。 「俺からの提案は────」
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