全ての可能性への努力

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両手で自分の顔を覆う。頭を冷やそう、私。 コレを意味するのは何だ。 2人で異世界召喚か?もしくは、私は勇者認定され無いから、次元の狭間に捨てられる事になるのか? 巻き込まれました系、消滅系、1人別な場所系、間違えられ系、敵認定など。 どうなっても、私がこの子と離れ離れになった場合、不利益が生じる気がする。この子にとっても、私にとっても。 ならば、やれる事をやる。私が居なくなって、この子が戸惑って利用される可能性もある。だから、可能性のある話を触りだけでも教える。魔法陣からキチキチと準備を始める音もする。時間も無い。だが、思ったほど時間が無い訳でも無い。 「良い?よく聞いて。コレはやっぱりドッキリじゃなかったみたい。さっき言ったこと覚えてる?そのどれかが当てはまっているかもしれ無い。でも、違うこともある。 そして、向こうに行った先で私がそばに居ない可能性も十分にある。」 そこで理解でいているか、朝藤さんの頬を両手で包み目を合わせる。朝藤さんは涙を流して首を微かに振るが、なんとなく察してるのは理解できた。 それを見てから次の言葉を紡ぐ。 「向こうに着いたら、信頼できる人を探しなさい。 強い人、権力者、優しくて厳しい者、高い志しを持った人。誰だって良い。守ってもらえそうな場所へ逃げ込むのでも良い。 狡賢く生き抜きなさい。」
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