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「…………繋がった。」
聞こえるか聞こえないかギリギリの声で、王女が囁いた。
そして、魔法陣が神々しく輝き出す。自分の体の魔力も呼応するかの様に蠢き、引きずられる様にして引っ張り出される。
ソレは今までに無いくらいの消費量で、意識が奪われそうになった程だ。今だに目眩が酷いが無理矢理陣の中を睨む。此処で倒れるわけには行かない。だが、足が震え膝をつく。ここ2日の消費で体の方も負担が大きかったらしい。
普段であれば、魔力が僅かでも残っていれば走るくらいなら、どおって事でもなかった。
(クソッ、せめて守れる体制に戻らねば。)
膝に手を付き体制を整え、王女を守るべくその背後へ駆けつける。自分の足では無いかの様に走りにくかったが、そこは気合いで乗り切る。
王女に手を出そうものなら切る!
そう言わんばかりに剣に手を掛け構えた。
例え文献通りに儀式を終えたとしても、敵が出たならば王女だけでも守り抜かねば。
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